カフェギャラりー杢&木彫工房SYU

洞爺湖町にあるカフェギャラりー杢&木彫工房SYUのブログです。

雪の中の廃屋

今年の気候はちょっとおかしい。北海道でも道東や道北は大雪で大変だと言うが、ここ虻田では雪が殆ど無く、山でも土が出てまるで春の陽気だ。いつもは雪の多い隣町豊浦でも二月に入って雪が降らずまだ一度も除雪をしていない、こんな年は初めてだと言う。そういえば例年一月二月に何度もある最高気温が氷点下の真冬日が一度も無かったような気がする。もちろん水道の凍結注意報も無かった。今日は三月の陽気というがこのまま雪も積もらず春になるのであろうか?
おかげで雪上散歩も雪不足でコースが決まってしまい自由に山を歩くことが出来ない。
今日は初めての畑のゆるい斜面を登ってみた。しばらく行くと道路からは見えなかったが農家の廃屋があった。傾いたブロックのサイロ、屋根の抜けた納屋、中にはうち捨てられたままの干草の塊、ガラス窓が割れ屋根が崩れかかった母屋などが無残にさらされている。
そういえばここ数年廃業した農家、牧場が多く、荒れた畑、田圃跡、荒れた牧草地がよく目に付く。俺が北海道に来た40年位前は開拓に入ってみたものの思うように作物がとれず離農した農家の跡はよく在った。山菜を採りに行く途中で見かけた廃屋を国語の教師だった先輩が、「ここには夢が詰まっていたのだ」と言うのを聞き、詩人だなあと感心したことを覚えている。
だが、今の状況は作物がとれないのでなく、後継者がいないとか余りにも生活するには所得が低いとかで止む無く廃業しているようなのだ。豊かに実る畑、水も豊富でおいしい米が取れる田圃、牛や羊がいくらでも飼える広い牧草地、こんな土地が草が生い茂り雑木が伸び茨や笹がはびこり荒れ放題になっている。自然に帰るといえば聞こえは良いがとても醜い風景に思えるのだ。TPPが進めば大規模に集約されぬ土地はもっと酷いことになるだろう。そしてわが国の食料自給率はと言えばたった40パーセントしかないのだ。どこかおかしくないだろうか?

廃屋のあいだを歩きながら、家の煙突からは煙が上がり薪ストーブを囲んで家族が団欒し賑やかな子供の声が聞こえ、牧舎では牛が白い息を吐きながらベーベーと啼いている、そんな情景を思った。
最中のような雪に覆われた畑を登りつめ振り返ると、茜色に染まった空の下、正面に有珠山がピンクに染まり、右手には内浦湾が青く輝き、その海の遠く向こうに駒ケ岳が銀色に光っていた。

SYU
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