カフェギャラりー杢&木彫工房SYU

洞爺湖町にあるカフェギャラりー杢&木彫工房SYUのブログです。

尻別川

12月になったと思ったらもう今年も半月を切ってしまった。
今年は全国的に暖冬と言うが、本当にこっちでもおかしな気候だ。
一度は雪が降ったものの、すっかり解け、ここのところ雪でなく雨が降っている。
毎週行っているカヤックも十月の末に「今年最後の潜りかな?」と言ってそれから一月半、同じ台詞を言い続けて「最後は何回あるの?」と妻に馬鹿にされている。
例年だと今時期、倶知安には一メートル以上の雪が積もり川にも入れなくなり、スキー場には深雪が出来る程積もっているかが気になっているのだが、今年は山には申し訳程度積もっているだけ、川原に行く道にも雪が無い。

先日、いよいよ最後と川に行ったのだが、川の土手に測量のくいと、のり面を示す板が立っていた。何と、やっと見つけたポイントが河川工事で無くなってしまう様なのだ。
船を潜らすミステリームーブという遊びが出来るポイントと言うのは川の流れと深さとエディー(川の淵のたるみ)の微妙な関係が必要でなかなかポイントが無い。日本中の川を探し回っている輩がいるぐらいなのである。今年そんなポイントを見つけ、来年は日本中の仲間を呼ぼうか、と言っていた矢先である。
今までもそんなポイントが出来ては春の大水で流れが変わり消え、また出来ては消えの繰り返しであった。だがそれは自然のなせる業で受け入れざるを得ぬが、今回の護岸は全く人為的なもの、それも必要も無いのに予算の消化のためとしか思えない。崖を切り崩しエディーを埋め45度のコンクリートの真っ直ぐな壁にしようとiいうのだ。

思えば30年近く尻別川を仲間と川から見てきた。護岸の歴史でもある。カヤックをやり始めた頃、大きな淵はところどころにあり、落ち込みも大きな波の立つところも沢山あり、小さな滝まであった。大きなヤマセミが目の前の岩にとまり、青い宝石の様なかわせみが船の前を横切り、岸の高い崖からは水が虹を作りながら流れ落ちていた。だが防災、土地の有効活用との名目で川にブルトーザーが入り流れを変え、ヤマセミが一家でとまっていた川に掛かる大木は切られ、かわせみが穴を開け営巣していた岸の土壁は削られコンクリートで固められ、蛇行していた自然の川は真っ直ぐなコンクリートの水路に変えられつつある。深みも無くなり、変化の無いのっぺりとした表情の無い川にどんどんなっているのだ。1メートル以上のイトウが悠々と泳いでいた川はもう無い。 
川と言うのは本来生き物の様に蛇行し侵食と堆積を繰り返して流れを変えていくものなのだ。河川敷を今の数倍とり遊水地もあれば無理な堤防などは作らなくても良いのではないか?それを狭い川幅の中に押し込めようとして川を殺している。
まあこんな事を言っても経済優先の社会の前には、ただの遠吠えなのかもしれない。
だが決して無くしてはいけないものは、誰もが感じられる自然の中にある懐の広さ、深さ、豊かさなのではないだろうか?

最後に冷たく澄んだ水の中をくるくる回転をしながら頭上に夕日を浴びて赤くきらめく水面を見つつ、春には無くなるこのポイントに別れを告げた。

SYU
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| | 2015-12-18(Fri)02:04 [編集]


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| | 2015-12-22(Tue)11:58 [編集]