このところの暖かさと天気に誘われ、行者ニンニクを採りに山に行った。
いつもは友人と二人で彼の4WD軽トラックに乗り、藪をかき分けぬかるみを乗り越えて山道の途絶えるところまで行くのだが、今、彼は地方選挙で友人を応援するため選挙カーに乗ってると言うので今日は一人だ。山道の下に車を止め30分程のんびりと歩き山のとりつきまで行く。クマよけの鈴を鳴らしながら踏み分け道を登りだすと、アカゲラがすぐそばで木をつついている。まだ下手くそな鶯の鳴き声も聞こえてくる。私は小鳥に詳しく無く、何の鳥か分らぬが、いろいろなさえずりがあちこちで聞こえる。鹿の足跡が残る細い道を歩き尾根に到着。斜面を下り行者ニンニクを藪を漕いで探すが、ちょっと遅すぎた様で葉が開いてもう大きくなり過ぎたものが多い。
私は表題が勇ましい「大自然探求ノート」というのをもう二十数年書いており、釣りとか山菜のポイントとか日時を記録している。それによると今年は去年より雪解けも山菜も二週間程早い。
崖を上り下りして雪が最後まで残っていたと思われるくぼみで丁度良いものを探す。ひと汗かき一休み。倒木に腰を掛け、暖かな日差しの中、青空に映える向かいの山を見、握り飯を食いお茶を飲んでいると、訳も無く幸せを感じる。歳のせいだろうか、こんな何でもないひと時がとても貴重な瞬間に思えるのだ。時にはこの瞬間のために今まで生きて来たのではなかろうか、などと随分大袈裟に思うことさえある。
腰を上げ、またしばらく辺りを這いずり回り、何とか前掛け袋一つを行者ニンニクで膨らませた。のどかな春の日、陽が西に傾く中、鈴を鳴らしながらなんとも充実した気分で山を下りた。
SYU
いつもは友人と二人で彼の4WD軽トラックに乗り、藪をかき分けぬかるみを乗り越えて山道の途絶えるところまで行くのだが、今、彼は地方選挙で友人を応援するため選挙カーに乗ってると言うので今日は一人だ。山道の下に車を止め30分程のんびりと歩き山のとりつきまで行く。クマよけの鈴を鳴らしながら踏み分け道を登りだすと、アカゲラがすぐそばで木をつついている。まだ下手くそな鶯の鳴き声も聞こえてくる。私は小鳥に詳しく無く、何の鳥か分らぬが、いろいろなさえずりがあちこちで聞こえる。鹿の足跡が残る細い道を歩き尾根に到着。斜面を下り行者ニンニクを藪を漕いで探すが、ちょっと遅すぎた様で葉が開いてもう大きくなり過ぎたものが多い。
私は表題が勇ましい「大自然探求ノート」というのをもう二十数年書いており、釣りとか山菜のポイントとか日時を記録している。それによると今年は去年より雪解けも山菜も二週間程早い。
崖を上り下りして雪が最後まで残っていたと思われるくぼみで丁度良いものを探す。ひと汗かき一休み。倒木に腰を掛け、暖かな日差しの中、青空に映える向かいの山を見、握り飯を食いお茶を飲んでいると、訳も無く幸せを感じる。歳のせいだろうか、こんな何でもないひと時がとても貴重な瞬間に思えるのだ。時にはこの瞬間のために今まで生きて来たのではなかろうか、などと随分大袈裟に思うことさえある。
腰を上げ、またしばらく辺りを這いずり回り、何とか前掛け袋一つを行者ニンニクで膨らませた。のどかな春の日、陽が西に傾く中、鈴を鳴らしながらなんとも充実した気分で山を下りた。
SYU
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